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一般社団法人北海道柔道連盟

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北海道柔道連盟の歴史

北海道柔道連盟の歴史（PDF)

○沿　革
　現在行われている柔道は、明治15年(1882)嘉納治五郎によって創始された講道館柔道であって、本年で創立百年を迎えたが、当時、講道館柔道は柔術の諸流を統合し近代的教育柔道を確立したものであった。
　本道では、明治28年創立された函館尋常中学校、札幌尋常中学校で当時体練科の副科として放課後ではあるが、既に柔道の稽古が行われていた。
　明治35年(1902)4月に「大日本武徳会北海道支部」が設置され、これら学校武道に対して側面的任務を果たすようになり、これによって本道の武道は総体的に発展した。
　北海道師範学校(現道教育大)では、明治31年ごろ校友会に柔道部が設けられ、同42年には講道館から元松邦喜が招かれ、札幌農業学校と兼務し、正課としえの授業が始められた。
　明治37年(1904)に、札幌中学校の柔道場が新築され、また北海中学校では明治42年に柔道部の活動が始まり、札幌農学校、師範、中学が互いに対抗試合を行うなど、本道の学校武道は次第に隆盛に向かった。
　一方、一般における柔道も、渡辺新蔵、萩原七郎が北海道拓殖50年記念博覧会を機に、講道館柔道創始者嘉納治五郎館長を再三訪問し「講道館分場」の設立を懇請の結果、富田常次郎、石田信三両氏の視察派遣となり、大正7年(1918)8月11日札幌市北4条西3丁目(デパート五番館の裏)に「講道館分場が」設置された。
　分場の指導者陣には、岩崎敏夫、湯口正次、進藤永吉各3段が当っていたが、北大柔道部員や一般の柔道愛好者で賑い、その後網走町有志の入門、室蘭市有志の支部の設立希望、また釧路尚武道への出張指導など、これを機に全道各地の柔道熱は、大いに高まった。
　大正9年には、入門者三百数十名を超え、第1次世界大戦平和克服記念の柔道大会が、中垣内輝、新庄巍両4段の審判のもとに、札幌市中央創成小学校で盛大に行われた。又、この年に兼元藤兵衛4段が北大師範として赴任し、本道柔道会は、いよいよ充実した。
　大正10年(1921)1月16日に、北海道帝国大学文武会主催で「第1回全道中等学校柔道優勝大会」が開催された。参加校は函館、函商、室中、それに地元の札師、一中、北中の6校で選手10名による勝抜戦が行われたが、実力伯中し熱戦の末、北海中学が僅差で初優勝を飾った。
　講道館分場の設立とともに、この中等学校柔道大会の開催は、中等学校での修行者に良い目標を与え、奮起を促した。
　この頃に、講道館で勇名を馳せ、第4高等学校を全国優勝に導いた江川定夫5段が、北海道警察練習場に迎えられ、札幌市立体育所の師範も兼務した。これにより、本道柔道界もますます上昇気運が高まり「講道館分場」だけでも五百名を突破する盛況となった。
　大正14(1925)に「全道中等学校競技連盟」が結成され、柔道もその一種目として毎年参加し、それは終戦まで続いたが、この頃、さらに指導者として札幌師範に、明大で勇名を馳せられていた松崎太平4段が赴任し、大正末期から昭和の初期にかけ、本道柔道界の黄金時代を築いた。
　警察における柔道も、明治の末頃には始まり、全道警察官の「第1回柔道大会」が大正15年11月に開催され、その後毎年恒例として行われていたが、昭和15年以降、戦時体制下のため中断するに至った。一般の部においても、昭和の初期から札幌鉄道局で力を入れ、警察と同じく戦時中一時中止の止むなきに至った昭和15年まで、大会が開催され、数多くの名選手を輩出した。
　戦前の学生柔道関係で、全国大会で活躍した学校としては
大正11. 13. 14. 15年
東京高師主催全国大会で札幌師範が優勝
大正13年
東京高師主催全国大会で札幌一中が優勝
大正15年
早大主催全国大会で北海中学が優勝
昭和7年
全国大会で札幌師範が優勝
昭和9年
全国高専大会で北大予科が優勝
昭和11年
東京高師範主催全国大会で北海中学が優勝
などが挙げられるが、一般の部においても札幌鉄道局が、森口二郎、島本吉兵衛、丸山武敏(各現8段)の強剛を揃え、「全国鉄大会」において昭和6、7、8年と3年連続優勝を遂げてその名を全国に轟かせ、昭和14年にも再度芝田、山口、草野らの活躍で全国制覇した。その後、戦時下のため昭和16年から残念ながら中止となったが、札鉄は道警察とともに終戦まで道柔道界の中核的存在であった。
昭和11年に札幌市円山球場で「第1回東北6県対抗北海道・樺太対抗柔道大会」が開催された。当時全国的にも画期的な大会として注目を浴び(戦中、戦後の1時期中止されていたが、昭和27年に再開され、本年で第35回を迎え永い伝統と格調の高い内容は、全国のビッグイベントの一つに数えられている)東北・北海道の柔道家達は、この大会を大きな目標として、鍛錬に励み、数多くの名選手を生み、第一線柔道家の登龍門として今でも続いている。
これらの他「明治神宮国民大会」も、大正13年に第1回が開催されているが、戦争苛烈を極めた昭和18年から中止となった。だが、この間第7回(昭和8年9第9回(昭和12年)に青年団の部で準優勝、又一般の部でも第12回大会(昭和16年)におきて勝浦、橋本、小野寺が健闘し、準優勝するなど輝かしい伝統を残した。

○北海道柔道連盟の誕生
　戦前は北海道の地域的な事情もあり、札幌、小樽、函館、室蘭、旭川などに、講道館と直結した「柔道有段者会」があって活動していたが、全道を統一した団体はなかった。しかし各有段者会はそれぞれの広域を統轄し、青少年の柔道の柔道振興を図るため、各種大会や昇段審査会を開催し、地方柔道の発展に貢献していた。
昭和20年終戦とともに、進駐軍の命令で武道は超国家主義、軍国主義の温床であるとして、武徳会などの団体は解散させられ、又学校における柔道も、昭和20年12月に禁止となり、それが昭和25年10月まで続いた。しかし一般における柔道が、進駐軍の理解するところとなり、昭和21年11月には日本西部地区九州の対抗柔道大会が開催されるに及び、徐々に全国各府県においても大会開催の熱が高まった。
道内でも同様に、昭和22年春には新生柔道として、兼元藤兵衛、松崎太平両8段らが、陣頭に立って奔走し、札幌市南一条にあるビルの一室を借り受け、柔道の愛好者を集めて稽古が始められた。昭和23年2月には「札幌柔道同好会」が発足、又函館、小樽、釧路、室蘭なども続いて会を結成し、戦後の柔道の基礎づくりに寄与した。
昭和24年には、終戦後の滔々たる民主主義とともに、従来の有段者を中心とした会を廃止し、柔道の愛好者すべてを包合した民主的、自主的な団体として、府県を単位としてこれを統轄する「全日本柔道連盟」が結成された。又全柔連が日本体育協会に加盟したのもこの年であった。
北海道も、各地区で結成を見た各柔道連盟が大同一致団結し、昭和24年4月10日全道を統轄した「北海道柔道連盟」が設立された。当時の加盟は札幌、小樽、函館、夕張、旭川、室蘭、遠軽の7団体であった。また初代会長には、札幌柔道連盟会長の村上善彦が就任し、戦後の柔道発展に大きな貢献をした。
その後炭鉱、王子製紙、学生等に柔道の復興が目ざましく、各地区で連盟が結成され、現在加盟団体は25団体を整えている。この間、北海道国体が苫小牧で開催されたこともあり、2代目会長は早川昇(王子製紙、苫小牧工場長)に引き継がれ、昭和45年死去するまで、道柔道界の選手養成に大きく貢献をした。第3代会長は堂垣内尚弘が引継いだが、北海道知事就任のため辞任し、第4代会長は横井七之助(現会長)が就任した。なお当連盟の財政的基盤確立のため昭和50年社団法人を設立し、現在に至っている。

主な事業内容
(1)青少年及び女子柔道の普及、指導
(2)指導者の育成
(3)将来有望者に対する育英奨学金の給付
(4)選手の競技力向上
(5)各種講習会の開催
(6)各種大会の開催
(7)研究資料の作成配付
(8)全日本柔道連盟、道体協、講道館など開催団体と密接な協力
(9)中体連、高体連、道学柔連等に対する指導育成
(10)昇段審査の実施
※財団法人北海道体育協会「五十年史」抜粋

○歴代会長
・昭和27年　　　　　　村上　善彦
・昭和28年～ 44年　　　早川　　昇
・昭和46年～ 48年　　　堂垣内尚弘
・昭和49年～ H8年　　横井七之助
・平成 9 年～ 18年　　須貝　忠吉
・平成18年～ 26年　　　高梨　幸輔
・平成27年～ R4年　　山本　典夫
・令和 5 年～現在　　　岩﨑　　満　

○歴代副会長
・昭和30年～ 32年　　　森　　久則
・昭和33年　　　　　　　村上　善彦
・昭和38年～ 41年　　　村上　善彦
・昭和43年～ 49年　　　島本　勇蔵
・昭和51年～ 53年　　　島本　勇蔵
・昭和54年～ 60年　　　城岡　正美
・昭和59年～ H4年　　森口　二郎
・平成5年　～　8年　　　須貝　忠吉
・平成5年　～ 11年　　　二瓶　英雄
・平成11年～ 13年　　　櫻井　　淳
・平成15年～ 18年　　　高梨　幸輔
・平成19年～ 26年　　　山本　典夫
・平成27年～ R4年　　　岩﨑　　満　
・令和 5 年～現在　　　武藤　弘司　

※平成25年度より社団法人から一般社団法人へ移行。

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